液晶パネルの駆動方式は主に、単純マトリクス駆動方式とアクティブ・マトリクス駆動方式があります。
1. 単純マトリクス駆動方式
電極線(X,Y)を格子状にはりめぐらせ、X,Yの選択した電極線に電気信号を送ると、タイミングのあった電極線の交差する場所の画素が点灯します。複数の画素を同時に点灯させたい場合は、X,Yの複数の電極線に電気信号を送って行います。
X,Yの電極が非選択状態となると基本的には印加電圧は失われるため、画素が多数になるとその分だけ1つの画素に印加される時間は短くなるので多数の画素の制御には適していません。1枚の画面を表示する間の1つの画素に電圧を加える時間の比率をデューティ比と呼び、X,Yが同時に選択されていなくてもX,Yのいずれかが選択されれば周辺の画素に無用の回路が出来て1/3程度の電圧が印加されます。この現象はクロストークと呼ばれ、画面の滲みとなります。また、X,Yにノイズが加わっても同様に無用な線が生じる事があります。
2. アクティブ・マトリクス駆動方式
単純マトリックス駆動の構造に加えて、画素の一つひとつに「アクティブ素子」を付けたもので、目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができます。
一般的にはアクティブ素子には薄膜トランジスタ (TFT) が使われており、ガラスやプラスチック製のアレイ基板上に作られたTFTがスイッチング動作することで、X,Y電極が非選択状態では蓄積コンデンサに蓄えられた電荷を出来るだけ保持するように働きます。X,Y電極が同時に選択されなければTFTによるスイッチは”ON”とならず画素への印加電圧に変化は生じません。そのため、X,Y電極に少しのノイズが加わってもその時選択されていた画素だけに影響して他の画素には影響しません。X,Y電極が非選択状態になると蓄積コンデンサに蓄えられた電荷が電圧の印加を担ってゆっくりと減少してゆくため、次にX,Y電極が選択されて電荷を加えられるまで画素が保持されますので比較的多数の画素を1つのX,Y電極内に持つことができます。