A.液晶パネルと画像を表示させるためのドライバ・コントローラ(LSI、IC)を1つにまとめて実装したものをLCDモジュールと呼んでいます。 実装方法の違いから、主にCOB型,COG型,COF型の3つのタイプがあります。
1. COB型 (Chip On Board)
PCB上にコントローラ、ドライバ、DC-DCコンバータ、LEDバックライト、LED ドライバなどを実装したタイプのモジュールです。LCDとPCBのコンタクトにはゼブラゴムを用いています。コンパクト性には欠けますが、一体型で、すべての機能を盛り込むことが可能となります。2. COG型 (Chip On Glass)
ドライバをLCDガラスのITO上に異方性導電膜を介して実装するタイプのモジュールです。外部とのインターフェースはFPCを用いて行います。COB型と比較して小型化が可能となりますが、受動部品はLCDガラス上に実装できないので、外付けとなります。しかし、ドライバをベアチップのまま実装可能ですので、コストメリットがあり、中小型のLCDモジュールで最も採用されているタイプとなります。3. COF型 (Chip On Film)
ポリイミドのフィルム状基板に直接LCDドライバを実装して、LCDパネルとCOFを熱圧着で接続します。ドライバのベアチップはあらかじめフィルム上に実装しておきます。主に、大型のTVなどに採用されているタイプとなります。LCD(liquid crystal display)パネルとは液晶パネルのことを言います。
TV、PC、デジタルサイネージにも幅広く使用され、光源(光を出すもと)としてバックライトが必要となります。
液晶自体は発光しないので、このバックライトを利用してフィルターを通して発光し色を表現する仕組みです。
一方、LED(Light Emitting Diode)は発光ダイオードのことで、LED(モジュール)パネルはLED素子自体が発光し色を表現します。
A.液晶パネルの駆動方式は主に、単純マトリクス駆動方式とアクティブ・マトリクス駆動方式があります。
1. 単純マトリクス駆動方式
電極線(X,Y)を格子状にはりめぐらせ、X,Yの選択した電極線に電気信号を送ると、タイミングのあった電極線の交差する場所の画素が点灯します。複数の画素を同時に点灯させたい場合は、X,Yの複数の電極線に電気信号を送って行います。
X,Yの電極が非選択状態となると基本的には印加電圧は失われるため、画素が多数になるとその分だけ1つの画素に印加される時間は短くなるので多数の画素の制御には適していません。1枚の画面を表示する間の1つの画素に電圧を加える時間の比率をデューティ比と呼び、X,Yが同時に選択されていなくてもX,Yのいずれかが選択されれば周辺の画素に無用の回路が出来て1/3程度の電圧が印加されます。この現象はクロストークと呼ばれ、画面の滲みとなります。また、X,Yにノイズが加わっても同様に無用な線が生じる事があります。
2. アクティブ・マトリクス駆動方式
単純マトリックス駆動の構造に加えて、画素の一つひとつに「アクティブ素子」を付けたもので、目的の画素を確実に点灯させたり消したりすることができます。
一般的にはアクティブ素子には薄膜トランジスタ (TFT) が使われており、ガラスやプラスチック製のアレイ基板上に作られたTFTがスイッチング動作することで、X,Y電極が非選択状態では蓄積コンデンサに蓄えられた電荷を出来るだけ保持するように働きます。X,Y電極が同時に選択されなければTFTによるスイッチは”ON”とならず画素への印加電圧に変化は生じません。そのため、X,Y電極に少しのノイズが加わってもその時選択されていた画素だけに影響して他の画素には影響しません。X,Y電極が非選択状態になると蓄積コンデンサに蓄えられた電荷が電圧の印加を担ってゆっくりと減少してゆくため、次にX,Y電極が選択されて電荷を加えられるまで画素が保持されますので比較的多数の画素を1つのX,Y電極内に持つことができます。
現在主流となっているのはTN方式(STN , DSTN , FSTN , CSTN),VA方式,IPS方式です。
1. TN方式(Twisted Nematic Liquid Crystal)
応答速度が速いため高速で表示する必要がある用途に最適です。
視野角が狭く見る角度によっては、色合いが変わってしまうため大画面ディスプレイなどには向いていません。
安価に製造できるため、現在でもTN方式が多く使われています。
TN方式の派生方式としてSTNがあり、STNにもいくつかの種類があります。
2. STN(Super-Twisted Nematic Display)
TN方式より液晶自体の応答速度が速いが単純マトリックスのため画面の表示速度が遅く動画表示には不向きですが製造コストが安いというメリットがあります
3. DSTN(Dual-scan Super Twisted Nematic)
STN液晶を上下2分割することで、表示速度を改善させた方式です。主にノートパソコンに使用されています。上下同時に制御を行うことにより処理が軽くなって表示が速くなったが、残像が残るなどの根本的な問題は解決されておらず、TFT液晶より劣っています。補償用フィルムの代わりにSTNパネルを用いたDouble-STNの略称として用いられる場合もあります。
偏光板とは、特定方向に偏光、又は偏波した光のみ通過させる板のことです。
偏光板には、反射型,反透過型,透過型の3種類があります。
1. 反射型
液晶パネルの背面に反射板を貼り、外光を反射させて採光するタイプです。
2. 半透過型
液晶パネルの背面に半透過反射板を貼り外光が強いときはバックライトを消灯し反射型として採光。
外光が弱いときはバックライトを点灯し透過型として採光。暗所と明所の両方で使用可能です。
3. 透過型
バックライトによって採光するタイプ。(バックライト常時点灯)室内、暗所向き。太陽光下ではバックライトよりも太陽光のほうが強く見えづらいため透過型はお勧めできません。
LCDディスプレイは製造コストが抑えられ、色再現性も優れているところです。